SDA王滝 42km 完走

自走派マウンテンバイカーにとって、国内最高峰のイベントである「SDA王滝」が、今年は9月17日に開催されました。
SDAとは、Self Discovery Adventure の略称だそうで、文字通り自前の装備で自己責任で走破することが求められます。

SDA王滝は、コロナ禍で開催が中断されていましたが、昨年復活し、NHKの自転車番組「チャリダー」でも取り上げられていて、ここ数年マウンテンバイクを楽しんでいるラトシア担当は、いつかは出場してみたいと思っていたのです。

SDA王滝のメイン競技は100kmですが、初参加でメタボな中年のラトシア担当は42kmクラスへのエントリー。制限時間5時間以内の完走が目標です。

事前準備


憧れのSDA王滝参加にあたり、体力不足を補うべくトレーニングを行うことはあまりできなかったので、機材で何とかできないかと考えました。
今年の42kmコースは、半分以上が舗装路という事前情報から、舗装路での漕ぎの軽さを重視して、体力の温存を図れる可能性があります。しかし、王滝の林道はとてもガレていて、例年パンクが非常に多いとのことです。
そこで、舗装路の漕ぎの軽さとガレた林道での耐パンク性と安定性を満たすタイヤを探しまくって辿り着いたのが「パナレーサー DriverPro PR」でした。

ラトシア担当が所有するマウンテンバイクは、キャニオンのSpectral 125 AL5という、トレイル用フルサスバイクでアルミフレームのベーシックな仕様(=車重15.5kgと重い!)です。自転車の場合、お金をかければカーボンのフレームや軽量かつ高精度なコンポーネントやリムを組むことができますが、乗り手の能力と経済力からベーシックモデルで十分でしょうと選択したのがこのバイクなのでした。また、自走ではなく搬送してもらい下り基調のトレイルを楽しむことを想定した選択でもあり、履いているタイヤは、29インチで2.40インチ幅で、パターンもノブがごつくて高いものだったのです。
そんな状態のまま、ベテランの自転車好きで100kmクラスにエントリーしている友人と近隣の林道でトレーニングを行った際の状況から、今のタイヤのままでは登りで体力の消耗が激しく完走は厳しいだろう、という結論に至りました。

そこで、選択したタイヤが「パナレーサー DriverPro PR」です。ネット上で検索すると、このタイヤでSDA王滝を良い結果で完走した方も多いようだし、耐パンク性も高そう。何より、現在履いているタイヤより、前後で500g程度の軽量化も期待できます。
ちなみに、タイヤ交換以外の対策としては、漕ぎの軽さを重視してタイヤのエア圧は前後とも220kPaと高めにセット。サスを柔らかくダンパーの減衰も弱く設定して、ガレ場での接地性を稼ぐという、何となく理に適っていそうだけと素人っぽいセッティングにしています。

そんな機材の準備でSDA王滝に挑むことになったのでした。

SDA王滝42kmスタート


9月17日午前8:00、42kmのスタートです。
林道入口までのは、舗装路のパレードランとのことで、のんびり走るだけだろうと思っていたのですが、実際は最初から結構な登り坂。舗装されているとはいえ、調子に乗って速いペースに付いていくと林道に入るまでに体力を消耗してしまいそうなので、軽いギアを選んでペースを落とし、路肩に寄って速い選手に先行してもらいます。先は長いのでとにかく体力温存と自分に言い聞かせて進み、いよいよ林道区間に入ります。

ちなみに、今回のコースは↓こんな感じで、スタートから林道入口までのパレード区間も結構な登りでした。


   SDA王滝 2023 コースマップより


林道区間の22km辺りまでの登りと少しの下りは、何度も休憩をさみながらではあるもののトラブルなく何とかこなし、CPまでの下りはトレイルバイクならではの走破性と安定性に助けられて気持ち良く走り抜けることができました。

CPでの油断

CPに到着すると、42kmコースの33km地点という表示。


   SDA王滝 CP&エイドステーション


「33km」は、パレード区間も含んだ値だったのですが、疲れた頭は「残りわずか9kmじゃないか」と判断してしまい、これならイケると勘違いして完走は楽勝だと思ってしまったのが大きな間違いでした。CPから40km区間までは、42kmコースで最も厳しい登り区間なのです。地図を見れば明らかなのですが「33km地点」「残り9km」だけを認識したまま、まだ登りが続くのか~とヘロヘロになりながら10km近く続く激坂を上っていきます。
この坂は本当に苦しく、少し進んでは休憩を繰り返し、しかし意地で自転車を押して歩くことはせずペダルを漕いで登り切ったときには体力はほぼ限界。路肩にバイクを止めて水分と食料を補給し今回最も長い休憩を取ったのでした。

40kmからフィニッシュまでの下りは、ヘロヘロの体で集中力が失われているので、100kmクラスの選手が豪快に抜いていくのを横目に、転倒しないようにスローペースで走ります。
制限時間にはまだ余裕があることを確認しながら走行を続け、残り3km、2km、1kmの表示を見つつゴールを目指します。ゴール直前は舗装路の下りになり、余韻に浸りながらしばし走るとゴールゲートに到着。

制限時間5時間に対して、4時間31分ほどでゴールすることができました。

初めて参加したSDA王滝ですが、走り切った達成感は非常に高く、準備不足などの課題もありましたが無事完走できて、とても満足度の高いイベントでした。

年に一度のお楽しみイベントとして、来年以降もエントリーしたいと思います。

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